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大手証券会社勤務のエリート・サラリーマンだった山崎遼一は、働きづくめで仕事が行き詰まったところで精神に変調をきたし、距離を置いていた妻からは離婚届を叩きつけられ、会社を辞めて、怪しいところから借金を重ね、いつのまにか所持金がたった3円のホームレスになってしまう。
かろうじて残っていたプライドを捨てて、しのぎやすい公園で暮らすようになった遼一は、そこで知り合った美貌のホームレス仲村と怪しい占い師の龍斎を見ているうちに、あるアイディアを思いつく。 このままホームレスのままでいても仕方がないと浦和競馬場で命をかけた勝負を仕掛け、見事大穴を当てた遼一は、それを元手に仲村を教祖に龍斎をヒーリングの大家に祭りあげて、新興宗教「大地の会」を立ち上げ、自分は事務局長として裏方に徹しながら怪しげな商売を始める。
始めは殆ど信者のいないのんびりした「大地の会」だったが、仲村のカリスマ性と遼一の企画が当たり、若者をターゲットにして「大地の会」はみるみる大きくなっていく。しかし霊感商法のような世間の非難を受ける会にはしたくない遼一の気持ちとは裏腹に、徐々に「大地の会」はカルト化していき、創設者でありながら裏方に徹していた遼一の統制は効かなくなっていき・・・。
少し不気味ですが面白い作品です。 前半部分のホームレス生活を描いた辺りも面白いし、後半の新興宗教を立ち上げていくあたりも面白い。 新興宗教が大きくなっていく過程は、少し出来すぎという感じもしますけど、でも小さな新興宗教が大きくなって行くにつれ方向性がずれていく感じは良く描かれていたと思います。 遼一の子供の頃の体験が物語に生かされていて、彼がどこか夢中になって行く説得力になっているし、カリスマ仲村の正体も分かりが良かった。 何故か常に焦燥感にかられて生きている遼一の創り上げたものを「砂の王国」と名付けている辺りに作者のセンスを感じますね。
いろいろな事を考えさせてくれる作品です。
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0 comments admin | 余韻がある作品 |